自信をつけるつける方法は、二つあるのだといいます。一つは、実際に経験を積んでできるようになることです。
しかし、このやり方では、上手くいけば自信に繋がるのですが、場合によっては、大きく自信を失うことにもなりかねません。
自信をつけるもう一つの方法は、日頃からイメージトレーニング(アファメーション「ポジティブな言葉を繰り返し唱えて潜在意識をクリーニングすること」を含みます)をすることです。
野球を始めて間もない子どもが、はじめての練習試合で、大事な場面で三振をしてしまい、友人達から酷い罵声を浴びせられたとしましょう。
その子の脳裏には、三振のイメージが強く焼きついてしまうことでしょう。そのイメージが頭から離れず、その後、何度打席に立っても、三振を繰り返してしまうことになるでしょう。
では、この子どもを三振地獄から救ってあげる方法について考えてみたいと思います。
・まずは、野球の練習をいったん休ませるなりして三振のイメージを忘れるようにさせます。
・その間に、良いプレーのビデオを繰り返し、繰り返し見せて、イメージトレーニングをしていきます。
・さらには、罵声を浴びせられた友人達から褒められているイメージを思い描かせ、過去の嫌な思い出を払拭させていくのです。
その上で、グラウンドに出て基本練習を再開させていきます。今度は、思うようなプレーができて、仲間たちの輪に溶け込んでいくことができるでしょう。
このことは子どもの世界のみならず、一流のアスリートたちにおいても、イメージトレーニングによりスランプを脱出したという例を多く耳にしています。
ちょっと古い話ですが、7年連続日本一になった新日鉄釜石ラグビーチームは、グラウンドでの練習の前に、世界のトップチームのプレーをビデオで見て、イメージを焼き付けることをしたのだそうです。そして、お互いに語り合って、良いイメージを育て合うことをしたのだそうです。
すると、不思議に、それまでできなかったことが、あっさりできたりするのだそうです。
ひたすら練習に打ち込んでいた時には、頭と体がバラバラに作用して上手くいかなかったことも、無意識(潜在意識)に落としたイメージは、反射神経的にプラスに作用するようです。
根性でもって、ひたすら練習するって、もう古い概念なのかもしれませんね。
同じように、営業の現場に出る前に、無意識(潜在意識)に良いイメージを叩き込むことをするとか、恋人とのデートの前に、相手を感動させられる台詞を語っているイメージを叩き込むなどに大いに生かすことができると思うのです。
これって、身体を酷使する苦しい作業とは違い、頭の中でイメージを描くことなので、楽しんでできる作業でもあります。
自信を持っている人と持っていない人との大きな違いは、同じように未経験のことにおいて、自信の持っている人は、それでも「できるイメージ」を持ち、自信を持っていない人は、「できないイメージ」を持つことなのではないでしょうか。しかも、自信を持っている人は、新しい経験を楽しんでいる。
このトレーニング法に、あなたは違和感を覚えるかもしれません。身体を酷使し、心に痛みの伴うことばかりが練習なのではありません。このトレーニングによって、自分が理想とする振る舞いが自然にできるようになることでしょう。
自信とは、なにも厳しい現場で身に付けるものではないのだと思います。引きこもっている人ならば、家の中で良いのです。大いにイメージトレーニング(アファメーションを含みます)に励みましょう。
イメージトレーニングは、成功をおさめるための大切なリハーサルなのだ。
人は、心に描いた自分にしかなれない。
それなら、良いイメージを描いて、自分を成功へと引っ張っていこう。※このフレーズを10回声に出して唱えると、アファメーション(ポジティブな言葉を繰り返し唱えて潜在意識をクリーニングすること)の効果がありますよ。
氷山の水に沈んでいる部分のように、意識より無意識(潜在意識)の方が、10倍も大きいのです。
意識を良いものに変えようと努力しても勝ち目がありません。
黒いコーヒーの入ったカップに水道の水を注いでいくと、やがて透明になっていくように、アファメーションによって潜在意識をクリーニングしていきましょう。
※努力しなくては得られないような幸福ばかり追い求めていては、やがて疲れ果ててしまいます。
四季の美しさを味わうことでも、100円ショップで売っている霧吹きボトルに水を入れ、同じく100円ショップで手に入る好みのアロマオイルを数滴たらしてアロマミストを浴びるようなことでもいいのです。日常の中で見つけられる、簡単に手に入る、「小さな幸せ」を毎日感じる練習をしていきましょう。
そうすると、好不調の波が、激しく大きな波から小さな波となっていき、やがて穏やかな波へとなっていくことでしょう。幸福体質を築いていきましょうね。
※薬は、脳内の伝達物質等のバランスを改善できる効果があるのだと思います。そういう意味で重要なのだと考えています。しかし、薬を飲んだからといって、生活習慣までは改善してはくれません。
生活習慣を改善する部分においては、本人の自覚と努力が必要になってくるのだと思います。アファメーションとは、頑張る方法ではなく、無理せずに、自然に心の持ち方を改善していく心のエクササイズなのです。
※アファメーションは、ダイエットに似ています。月に1回だけやったからといって痩せることがないように、毎日取り組まなくては効果が出ません。毎日、取り組まれることをお勧めします。
参考文献:『自信の法則』 ジェリー・ミンチントン=著 弓場 隆=訳 (ディスカバー)