大人になってからも、自分は女性にはモテないと思い込んでいました。これが、単なる思い込みであったと気づくのには随分時間がかかりました。
この思い込みが、自信のない頼りないイメージを振りまいていたことを本人は気づいていなかったのです。
といって、声楽家を志していた時代には、人からうらやましがられるような美女と交際したこともあったのですが、当時の私は、女性の心理をよく理解していなかったようです。
学校で成績が一番といったような時は、割とモテたのですが、入学した当初の成績がビリの頃は、それは酷いものがありました。その後、声楽の道を断念し、盛岡に帰ってきてからは、モテない男に逆戻りしてしまいました。
どうやら、異性からモテてない理由は、輝いていないということなのだと気づきました。
不思議と同性からはモテました。これは、モテない者同士での傷のなめ合いによる安心感を得ていたとでも言うのか、今思うと後ろ向きで情けない人間関係を築いていたように思います。(以前の自分も肯定的に考えて見ようと思います。あの時は、悲惨だったけど、あの悲惨さがあったからこそ、人に優しくできるのかもしれません。もちろん同性の友人も大切にしようと思います。)
何も才能を見せ付けないと輝かないかというと、そうでもないようです。さわやかな笑顔と、落ち着いた言動、さらには清潔感のあるセンスの良い着こなしをしていれば、たとえ禿頭であっても、背が低くとも、太っていたとしても異性からモテるものです。
これは、男性のみならず、女性にも言えることだと思います。以前には容姿が悪いと感じられた女性が、しばらく見ないうちに素晴らしく魅力的な女性へと変身していて驚かされたことがあります。今流行りの美容整形をしたわけでもありません。素敵な彼氏の影響により、言動やファッションセンスが洗練されたのでした。
さて、「人に与える第一印象は、三秒で決まる。しかし、その印象を覆すには三年かかる」のだと言われています。
「初対面の3秒が勝負」とも言われています。
レジの店員さんは、「いらっしゃいませ」といいます。これは、ごく普通のことですよね。でも、リピーターを生み出すカリスマ店員さんはちょっと違うのだそうです。
「あ、いらっしゃいませ」と、必ず「いらっしゃいませ」の前に「あ、」が入るのだそうです。
この一瞬の間で、輝く笑顔と「まなざしパワー」をお客さんに送っているのだそうです。その後、すぐに仕事の方に目線を戻しても大丈夫。そのわずか3秒で、お客さんの心をしっかり捉えてしまっているというのです。
さらに技を加えると、「まなざしパワー」を送る瞬間、目をつぶるのだそうです。そうすると、目力がパワーアップするのだとか… モテる人は、瞬きを効果的に用いているとのことです。
人は誰でも自分に一番関心を持っています。その証拠に、旅行行って記念写真を撮り、仕上がったときに真っ先に見るのは誰の顔でしょうか。もちろん、「自分の顔」ではないでしょうか。
同じように、他の人においても自分に関心があるわけですから、その人の「自分に関心を持って欲しい」という欲求をかなえてあげることが、人から好かれる一番の方法だと思うのです。
もちろん誉めることは大切なのですが、お世辞では、すぐにメッキが剥がれてしまいます。やはり、相手の些細な言動にも興味をもって接し、理解しようという心配りが大切なのだと思います。
モテないというのは、単なる思い込みと考えよう。
少しずつでいいから、言動やファッションセンスを磨いていこう。
また、素敵なまなざしと、繊細な心配りを身に付けよう。
参考文献:『自分を好きになる本』 木裕樹著(PHP)