2014年05月06日

人格教育の重要性について

子どもの教育で最も重要なことは、子どもとの信頼関係をいかに築くかにあると思う。

教師が上から目線で指導するのに、ついてこない子どもが多いからだ。

私は、子どもの目線で、その時その時の子供の状態を感じながら指導内容を決めるようにしている。一見して頑張れないと感じた子には、始めは添削を1点だけに絞るなどして、子どもに安心感を与え、少しずつモチベーションを上げていけるように工夫した指導を心掛けている。

教師は、手を抜かず真剣勝負で子どもたちに向かうべきである。これも、子どもたちと信頼関係を築く上で重要である。とても疲れることだが、良い結果が出てくるようになると、やりがいが出てくるものである。

私は過去に5年ほど、コンクリート2次製品の製造工場にて、精神薄弱者更生施設の男子青少年延べ16名の職場実習を担当した経験がある。

どの子も完全に自信を失っており、まずは自信を付けさせることからの指導となった。ある子には、汚水桝の材料となる短い針金を30度曲げる作業をしてもらった。しかも1000本曲げである。

初日は、合格品が数十本のみで、あとは不良品だった。私は、仕事が終わってから、その曲げた針金を元に戻して次の日に備えるようにした。翌日も、その翌日も、1000本曲げが続いた、次第にコツを掴んでいき、数本しか不良品が出なくなっていった。そこで大いに励まし、ついに1000本すべて合格品が出せるようになっていった。

こんな単純な作業でも達成感とは大きいものである、その子は自分から、溶接の仕事をしてみたいと言ってきた。そこで、丁寧に教えながらやらせてみた。見事にやり遂げ、さらには難しい溶接までこなせるようになっていった。そして、最終日までには、一般の作業員の中に混じって立派に流れ作業もこなせるまでになっていった。こんな感じで、16人に向かい合ったのである。

こんな感じで、16名全員を職場での採用へと導いていったのである。

ところが、その中の2名が、会社の金を盗んみ無免許で車で逃走するといった犯罪を犯してしまった。しかも、その2名は、教え子たちの中でも最も優秀な子たちだった。

書道塾においても、ごく最近まで、家庭の躾が全く出来ていない問題児たちに教えていた。その子たちは、塾の備品を次々と壊し、大いに暴れてくれた。躾の出来ている子に悪影響を与えないようにするため、時間調整にいつも悩まされた。しかし、その子たちとの信頼関係だけは築けたので、全員に初段まで取らせることができたのである。しかし、それが限界だった。

この子たちも、私が体調が優れずに苦しんでいた時に、休み時間のホテルごっこに誘ってくれて、肩たたきの無料券をくれるなど優しいところを見せてくれた。それゆえ、親御さんが教育に協力的になってくれたなら、この子たちに良い方向性を与えられたに違いないと思えてならないのである。

問題児の教育は、いつかはしてみたいと思っているが、それでは教える側の生活が成り立たないのである。こちらの教育は、行政的に何らかの助成をしてもらわないと、今後はできないと感じている。

自分で言うのは何だが、私は技能を教えることは得意なようで、受け持った子全員に、それなりの結果を出してきたと思う。しかし、問題は、スキル教育には成功できても、人格教育ができて来なかったことにいつも引っかかってきた。

私がシュタイナー教育に注目するようになったのは、そこにあるのだ。学校も塾も、スキル教育のみだけで、人格教育には積極的ではない。行われたとしても、対処法的なもので、その場しのぎに過ぎないのだ。どんなに良い学校、良い就職へと導けても、後に犯罪者になってしまっては意味がないのである。

シュタイナー教育は単に頭の良い子を育てることだけではないのである。

とことん考える授業(エポック授業)の他、フォルメン(絵画的アプローチ)やオイリュトミー(身体表現によるアプローチ)等を通して、「自然の法則」を体全体で捉えるセンスが習得できるのである。

これが、その子の人格を向上させるのみならず、〈人類の文化レベルを向上させる〉人材育成となるのである。


恵翠書院 盛岡教室

恵翠書院 滝沢教室
posted by 盛岡のしろねこ / 佐藤 潤 at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 書道教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。