生活習慣を改善する部分においては、本人の自覚と努力が必要になってくるのだと思います。アファメーションとは、頑張る方法ではなく、無理せずに、自然に心の持ち方を改善していく心のエクササイズなのです。
では、アファメーションのエクササイズに入る前に、心身をリラックスする瞑想を行いましょう。
ここでは椅子に坐って瞑想を行います。椅子には深く腰掛けずに、少し浅めに腰掛けてください。背もたれがある椅子であっても、背もたれにもたれかけないでください。次に、ひざの真下にかかとが来るように足を整えてください。つま先を正面に向けるように、ひざは腰幅に軽く開くようにしてください。背筋を伸ばし、肩の力を抜いて、手を軽く開き、手のひらが上を向くようにひざの上に置いてください。手のひらが上を向いていますか。あごを軽く引き、目は半眼に、つまりは、軽く目をつむってください。その状態で全身の力を抜いてください。ただ、猫背にはならないように気をつけてください。
チャクラとは、インドのサンスクリット語で糸車という意味です。それぞれのチャクラは、意識の異なるレベルを反映し、極めて重大な生命力の渦巻状の車です。これらの生命力、すなわちエネルギーの渦は、人間の背骨に沿って位置しており、7つの主要なチャクラが存在しています。これから、瞑想をしながら、その7つのチャクラの機能を整えていきましょう。では、瞑想に入ります。
その1 呼吸を味わおう
第4チャクラは、「アナーハタ」というチャクラで、胸にあり、心身を開放して周囲と調和する心をつくっていきます。
利き手により、優しく胸に手をあててみましょう。爽やかな大空、その大空に向って伸びていく木々をイメージしましょう。その新鮮さを胸にとり込みながら、あらゆるものと調和するように、気持ちを開いていきましょう。
(さあ、アロマミストを浴びてください。そして、心地よい呼吸をじっくりしてみましょう。)
その2 生きていることを実感しよう
第6チャクラは、「アージュニャー」というチャクラで、眉間(みけん)にあり、あらゆるものを穏やかに見守る視点を持てるようになります。
前に、気持ちのいい呼吸で第4チャクラを開放ました。次に、ゆっくりと背伸びをしてください。全身が引き伸ばされている様子、伸びているところが目覚めていく様子を意識してください。自分自身に挨拶するような気もちで、少しずつ身体が刺激され、目覚めていくような様子を感じてください。自分と身体との距離を少し保ち、その距離があるからこそ思いやりをもって自分を見守ることができるという感覚を得てください。このことで、第6のチャクラ「見守る」という機能を調整していきましょう。
(さあ、自分自身に挨拶するような気持ちで、自分の身体との距離を少し保ち、自分を「見守る」という感覚を心に向けていきましょう。)
その3 感謝の気持ちを育もう
第1のチャクラは、「ムーラーダーラ」というチャクラで、骨盤底にあり、心身に安定感と落ち着きをもたらしていきます。
椅子に浅めでもゆったりと腰掛けていますか。背筋を伸ばして、肩の力を抜きましょう。お尻と大地のコネクションを意識してください。今日も、こうして生きていること、そして呼吸をしている身体を感じ、その当たり前のことにありがたさを感じられるよう心を向けていきましょう。骨盤が床に沈んでいき、堂々とした感じ、落ち着いた気持ち、そして感謝の気持ちが育まれていくことでしょう。
(さあ、神からもうすでに与えられている、当たり前の日常における恵みに、感謝の心を向けていきましょう。)
その4 緊張やイライラを腹におさめよう
第2のチャクラは、「スワディシュターナ」というチャクラで、下腹部にあり、心身に活力を与え、意欲や情熱の気持ちを高めていきます。
前のチャクラで感謝の気持ちが芽生え、骨盤と大地のコネクションが安定してきたら、下腹部の奥にある充実感を感じていきましょう。緊張感とは、ネガティブながらも、困難を乗越えようとするエネルギー、イライラとは本来、その不都合な状況を乗越えようとするエネルギーです。それを本来の目的どおりに、最も効率的に使えるように下腹にため込んでいきましょう。下腹部だけに、緊張やイライラといったネガティブなエネルギーが満ち溢れるようにしていきます。すると緊張がほぐれ、建設的な方向にイライラを使える気持ちになっていくことでしょう。その状態をしばらくキープしてみましょう。
(さあ、下腹部に意識を向け、緊張やイライラをそこにため込んでいくイメージを心に描いてみましょう。)
その5 エネルギーを一方向へ導いていこう
第3のチャクラは、「マニブーラ」というチャクラで、腰にあり、集中力を高めて意志を強くしていきます。
土台となるチャクラが安定してきた感じがつかめたなら、背筋を伸ばすようにして、腰をゆっくり上に向って伸ばしてみましょう。骨盤を下に、そして腰を上に、お腹が少し背骨に向けて引きよせられていく様子を感じてください。この腰の伸びを上手につくれたなら、気持ちも前向きになっていきます。自分が向うべき方向へ突き進むような精神状態になっていきます。自分をマイナス方向に向わせようとする欲望が意識に上ってきた場合は、あきらめずに、この感覚を日々練習して、もっと上手にエネルギーを一方向に導けるようにトレーニングをしていきましょう。ここでは、腰に意識を向けながら、プラスのイメージを心に描いていきましょう。
(さあ、腰に意識を向けて、自分らしさに輝いている自分を心に描いてみましょう。)
その6 自分を受け入れよう
再度、第4のチャクラを開放していきましょう。自分自身に対する優しい気持ち、ありのままを受け入れる気持ちを養っていきましょう。
利き手により、優しく胸に手を当ててみましょう。そして、ありのままの自分を受け入れる気持ちを養っていきましょう。何もする必要はなく、そのままの自分でいいのです。理想的な自分になるのは、もう少し後でも遅くありません。この後、目的地に向って歩けるように、ちゃんと現在地を確かめて置くことが大切です。それが、自分を受け入れてあげることなのです。この第4チャクラを開放できれば、すがすがしい気持ちとともに、自分に対する優しい気持ちが芽生え、ありのままを受け入れられる柔軟な心が養われていくことでしょう。
(さあ、ここでもう一度、アロマミストを浴びてください。すべてのしがらみを取り除いた、ありのままの自分に心のチャンネルを合わせてみましょう。自分らしさとは、心が最も輝いた状態であることに気が付かれることでしょう。)
その7 エネルギーを外にアウトプットしよう
第5のチャクラは、「ヴィシュッダ」というチャクラで、喉にあり、パワーを導いて感情を適切に表現できるようにしていきます。
骨盤にある第1のチャクラ→下腹にある第2のチャクラ→腰にある第3のチャクラ→胸にある第4のチャクラと上昇していくエネルギーの流れをつかむことができたでしょうか。その体内を上昇してきたエネルギーが「表現」のために何らかの形に換えられる場所、つまり「喉」なのです。自分の意志に反して何かを行おうとするとき、不自然な声が出て、喉が緊張します。ここが乱れると不眠につながることもあります。ここを整えるためには、土台となる第1〜第3のチャクラを安定させ、第4の胸のチャクラを開放した状態に導く事がこのチャクラをより良い状態に保つ秘訣といえます。腹の底から突き上げてきた個人的なエネルギーが感じられるのなら、フレシキブルな形に変化させて自分の外に吐き出してしまいましょう。利き手を軽く喉に当て、外に投げ捨てるような仕草を何度か行ってみてください。それが済んだら、自然な呼吸を繰り返しながら、心地よい気分を味わってみましょう。
(さあ、軽く利き手を喉に当て、外に投げ捨てるような仕草を何度かやってみましょう。あなたを苦しめ、ストレスを感じさせているマイナスのエネルギーがあなたから外に放出されていく感覚をつかんでください。)
その8 大きな視点を持とう
第7のチャクラは、「サハスラーラ」というチャクラで、頭頂の少し上にあり、すべてを客観的に見渡し、見守る意識を持てるようにしていきます。
最後のチャクラでは、より大きな視点で自分をとらえられるようにしていきましょう。キーワードは「宇宙」「無限」です。頭頂から無限に広がる宇宙を意識し、そして無限という時の流れの中で、自分を眺めてみましょう。自分の頭1個分上の所に自分の意識があるようなイメージを持ってください。すこし高い視点から自分というものを確かめ、落ち込みやすい、くじけやすい自分を優しく見守ってあげましょう。自分の目線が少し高いところに感じられるようになると、世の中を客観的に、冷静な目で見られる感覚が養われていくことでしょう。
(さあ、頭上から少し上の部分に意識を集中させ、その目線で世の中を見渡してみましょう。きっと、すべてのことが冷静に見えてくることでしょう。)
※上の文章をできるだけ良い声で読みながら進めてみてください。何度もやって慣れてきたなら、半眼状態でも、要所要所を見るだけで進められることでしょう。
参考文献:『Yogaではじめる瞑想入門』 綿本 彰著 (新星出版社) …瞑想・音楽CD付なので、ここで紹介した瞑想法は、そのCDの一番最後のプログラムの音楽を流しながら行うと、いい感じで行えます(エスニック雑貨等で手に入る、チベット製のシンギングボウルを奏でながら行うのでも良いと思います)。また、一番初めのナレーション入りのプログラムは、とても心地よく腹式呼吸ができるので超お勧めです。このCDがあれば、きっと楽しく瞑想が身に付いていくことでしょう。