80歳になる母の誕生プレゼントにしたので、歩行がままなならない母の手を引いて、コンサート会場に入りました。
プログラムはなし、だから、演目1曲1曲がサプライズといった感じでした。
1曲目。ものすごい音響に圧倒、最後まで私の鼓膜は持つのだろうか?
2曲目「アジアの純情」。 私はPUFFYの大ファンだったこともあり、この曲は知っている。ただ、音響に圧倒され歌詞が聞き取れない…
7曲目の「コーヒールンバ」、アラブかどっかの言葉で歌っているのかと思ったら、終わりの方で日本語であることが判明。
8曲目「海に来なさい」。久保田利伸さんのカバーで知っていました。胸にジーンときました。これは名曲だ! この辺から、耳が慣れて歌詞が聞き取れるようになる。静かな曲も織り込まれていく。
私は、陽水さんを巨匠のような人と思っていましたが、が、実際は少年のような人でした。とても63歳には思えない。歌は下手ぽい感じだし(多分昨日のライブだけ)、トークも下手。ギターもそんなに上手そうではないし(多分昨日のライブだけ)、サングラスの容姿は、異様な感じさえする。今流行のおねえ言葉な感じさえする。それゆえ、お馬鹿な人にさえ感じられました。でもこの人がすごい奇跡を起こすんです。
人は優等生を求めていないんだなって気付かされました。自然体でいいんだってね。だんだん開放感が快感に変わっていきました。
リードギター、ベースギター、キーボード、ピアノ、ドラムの5人の演奏スタッフの演奏はハイレベルで、かなり酔いしれました。とくに、キーボードの独特のニュアンスは素晴らしいと思いました。音響さん、照明さんも最高の仕事をしたと思います。アンコールの照明は圧巻でした…
陽水さん、ハーモニカやギターピックを会場に投げ入れるファンサービス。どんどん、会場は、どんどんヒートアップ。
ラスト。「少年時代」。これも胸にジーンと来ました。
アンコール拍手は、5分も続いただろうか。それ以上だったかもしれない。
そして、アンコール。陽水さん、ブルーのジャケットからピンクのシャツにお色直し。
まずは、PUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」で、立ち上がる人続出。2曲目「Happy Birthday」では、80歳になる母の誕生日プレゼントのコンサートだったゆえ、母が大喜び。
そして4曲目「夢の中へ」では、杖をついて歩いている母が立ち上がって拍手していました。胸に埋め込んでいるペースメーカーがものすごく熱くなったのだそうです。もちろん、私も立ち上がって拍手しました。3階席の中央の最前列だったので、会場の様子がよくわかるのですが、岩手県民会館2000人の観客全員総立ちで拍手しているのが見て取れました。
こんなにも会場が一体感になるなんて、奇跡としか思えませんでした。
帰りに、今日のプログラムが掲示されていました。そこに多くの人が群がって携帯で写真撮影していました。もちろん、私も撮影しました。
帰り、母が歩くのが大変でしたが、多くの人が助けてくれました。「エレベーターがこちらにあるから、一緒に行きましょう」とか、親切にエレベーターのボタンを押してくれたり。駐車場から出る際も、譲り合いがあって、嫌な思いをせずすんなり流れに乗ることができました。なんてマナーの良い客なのだろう。
コンサート前は、皆現実を引きずっていて、バラバラだったはずなのに、コンサート後は、人類皆兄弟といった優しさに包まれていました。
母は、来年はお金を払っても見に行くのだそうです。
音楽って麻薬のようなもの。人を開放感と幸福感に満たしてくれます。いや、麻薬というより、薬なのかな。陽水さんは、3度受験に失敗してお医者さんにはなれなかったけど、多くの人を元気にする歌の薬を作り続けているんだと思いました。
今日は、私の音楽活動に大きな影響を与えた日になりました。
私も陽水さんに見習って、優等生になることなんか捨てて、馬鹿をさらけ出してみようかと思いました。サングラスが、そんな勇気を与えてくれるのなら、それもありかな…
そして、もっと自由に、発明的発想を大切に、音楽を作っていこう。ハートがあれば、歌詞につじつまなんていらない。声帯のコンディションが悪くたって大丈夫。せっかくパソコンをやっているのだから、もっと電気音楽の要素も取り入れていこう。
私が63歳の時、どんな音楽創れるのかな? 何か歳を重ねるのが楽しみな気さえしてきました。
ありがとう、井上陽水さん。
YouTubeで陽水さんの音楽チェックしたら、結構、ライブのトーク面白いということを知りました。昨日のライブは、岩手は被災地ということで、気を使われていたのでしょう。ライブ終了の時、名残惜しかったのか、「お体に気をつけて」とか、思いやりの言葉をいっぱい掛けてくださいました。それに、CD音源ではお声も透明感があって素敵ですね。そうであっても、昨日のライブは最高でした。