彼は2番手のピッチャーとしてマウンドに上がり、3回途中からラストまで3安打4奪三振という、実に見事なピッチングでした。先発投手が不調だったので、残念ながら、そこで取られた点数で負けてしまったのだけど、阿部君が先発していたら勝負はどうなっていたかわからなかったと思いました。勝敗に関係なく、感動のある試合内容だったと思います。
24年前の選抜高校野球で、甲子園で準決勝までコマを進め優勝した岩倉高校(東京)に無念のサヨナラホームランで惜敗した、大船渡高校の金野投手とタイプが似ていると感じられました。あの時は、強豪校を次々と倒し、岩手代表とは思えないような快進撃でした。彼も剛速球ではないのだけど、コーナーワークを上手くついた絶妙のコントロールで三振を取れる完投型タイプ。何と言っても高校生とは思えないほど落ち着いた態度には、ハンカチ王子こと早稲田大学の斎藤佑樹投手とキャラがかぶります。
相手は近畿大会の覇者ゆえ、その打線を見事に封じた彼の実力は本物だったと思います。夏の大会では、今回先発したピッチャーと力を合わせて勝ち抜いて岩手県代表となって欲しいけど、甲子園に出場したなら、ぜひ阿部君にマウンドを託して欲しいと思いました。甲子園では、1勝とはいわず、優勝して欲しいです。今年の一関学院は、それまでの岩手っ子らしからぬ、そういった潜在能力のあるチームに仕上がっているように思います。盛岡商業サッカー部同様に、奇跡の全国制覇をして欲しいです。
「今の実力で十分通用することが分かったのだから、怪我をしないように体をいたわって練習に励んで欲しい」とエールを送りました。
夏には、予選から家族で応援に行こうと思います。今年の夏は感動の夏になりそうです。
感動と期待との交差する、美味しいお土産でした。